嗅覚異常

 コロナウイルスに感染された方の中には、嗅覚異常・味覚異常を発症する方がいらっしゃいます。もし、現在ご家庭などでリードディフューザーをお使いで、日頃の嗅覚異常を見分ける判断をされたい場合には、トイレに置くことをお勧めします。トイレは一時しかいなく、限られた空間でもあるため、鼻慣れを起こしにくく、ある程度日常での違いがわかりやすいためです。

 リビングや寝室などでは日頃過ごす空間であるため鼻慣れを起こしやすいです。対処方法として、入り口や必ず見るところに「〇〇の香りを感じますか?」など貼り紙をすると、注意して嗅ぐこともできるので、効果的です。

 リードディフューザーも、だんだんと香りが弱まっていきますので、弱まって嗅ぎにくければ予備のスティックを足すなど香りの強さを調節してください。エアゾールやミストなど、嗅ぎたいときにシュッと香れる商品を使うのもいいでしょう。

 仕事や買い物などで出かけることが多い方は帰ってきたときに香りを感じる玄関に置いてもいいと思います。

*アロマクエストのホームページ、コラム「リードディフューザーとは」もあわせてご参照ください。

 

 また、味覚異常を気に掛けたい方は、一日一回毎日決まった食事(できれば比較的決まった時間、決まった食材を摂取できる朝食がよい)の、決まった食材で味覚が正常かどうか判断されるのがよいです。例えば、朝食での味噌汁、納豆、ヒジキ、スープ、コーヒー、マーガリン(食パン)など、比較的濃い目のものがよいでしょう。もちろん、気候や体調により感じ方が異なりますので、ご考慮ください。

 先の見えない不安を低減されたいかたは、食事の際に「食べる瞑想」を取り入れてもよいかもしれません。

詳しくは、アロマクエストのホームページ、コラムの「マインドフルネス」をご参照ください。

春と健康と睡眠

 春は、就職・転勤・引っ越し・入学などで周辺環境が変わり、日照時間も長くなることから体のリズムが狂いやすくなる季節です。

 毎朝、決まった時間に起きてカーテンを開け、太陽の光をしっかり浴びて「体のリズム」を整えましょう。 

 春は体内時計のリズムの乱れから、うつ病などの症状が発生しやすい季節です。その予防のためにも、良質な睡眠をとることが大切です。

夏を乗り切るために

 夏の暑さは厳しく、人は汗をかくことで体温を調節しますが、脱水症状に陥ってしまうと「自律神経のバランス」を崩してしまいます。食欲が減退しやすく、冷たい飲み物を多くとると、「消化管のリズム」が乱れます。また、夜になっても気温が高く、寝苦しい夜になるので、「睡眠のリズム」も崩してしまいます。

 これらのリズムの不調による、疲労感・夏バテを引き起こさないような生活をして、夏を快適に過ごしましょう。

 汗をかいたあと、一度に大量の水を摂取すると体内の電解質のバランスが崩れ、体調不良を招きます。また、体液濃度が下がることでその濃度を正常に保とうと尿などの水分を放出するようになり、結果として体内の水分量が減少してしまいます。そのため、喉の渇きを感じなくてもこまめに水分を補給しましょう。

 熱中症は、気温が著しく高くなくても湿度が高いときに起こることがあります。湿度が高いと、汗をかいても蒸発しにくく体温が下がらないことがあります。そのため、梅雨明けの蒸し暑くなった今の時期や日差しが強く差し込む締め切った室内でも注意が必要です。

夏を乗り切るための睡眠

 本来、日中に受けたダメージは睡眠中に修復されますが、日が暮れても気温や湿度が高い夏は、寝苦しい夜になりがちです。さらに、人間の睡眠時間は日照時間に合わせて夏は短く冬は長い傾向にあります。そのため、睡眠不足からくるイライラや集中力の低下などを起こしやすくなります。

 夏に快眠できる寝室の環境は、室温が26~28℃、湿度は50~60%といわれます。室温が30℃以上、湿度が80%を超えると体温が下がりにくくなるため、深い眠りにつくことが難しくなります。クーラーが直接体に当たらないように、扇風機やサーキュレーターを使用し、風向きを壁や天井に向け、部屋の空気が循環させましょう。省エネにも役立ちます。

 最近流行してきている余分な熱を吸収する夏用の寝具なども検討して、自分に合った方法を探して、快適な夏の夜を過ごしましょう。

良質な睡眠のために

カフェイン飲料は飲む時間帯に注意!

 厚生労働省が行った平成25年の調査では、約70%の人が自分の睡眠に不満をもっているという結果がでたそうです。多くの人がストレスを抱えている現代では、満足した睡眠をとることが難しいようです。

 良質な睡眠を阻害している要因はいろいろありますが、その一つに夜のカフェイン飲料(コーヒー、紅茶、緑茶など)の摂取があげられます。18時以降は飲まないようにとよく言われています。しかし、若いころに夜にコーヒーを飲んでも眠れていた人でも、加齢とともに体質が変化して眠れなくなることも多いようです。そういった方は、カフェイン飲料を飲むのは午後3時までにしてみてください。午後のひとときをスウィーツとともにゆったり過ごす「3時のティータイム」には、そういった意味もあるようです。良質な睡眠をとり、健康に留意して、明るく楽しい生活を送りましょう。

夜のスマホは就寝1時間前まで!

夜のカフェイン飲料摂取以外に、テレビやパソコン、スマートフォンにも不眠の原因があります。液晶の画面からは、ブルーライトと呼ばれる波長が380500nm(ナノメートル)の青色光が発せられ、長時間浴びていると睡眠ホルモンであるメラトニンの生成が抑制されます。このメラトニンが抑制されると、目が覚めてしまい、眠れなくなってしまいます。夕方以降のテレビやパソコン・スマートフォンの画面をみるのは少なめにしましょう。特に就寝1時間前には、使用を控えましょう。仕事などで、どうしてもスマホやパソコンを見る必要がある方は、ブルーライトカット率の高いフィルムを貼ったり、パソコンメガネを使用することをお勧めします。

深夜のコンビニは避ける

 強い光と言えばコンビニエンスストアもそうです。便利なのでついつい行ってしまいますが、夜中でも店内は明るいので、夜中の買い物はひかえるようにしましょう。

 メラトニンは光に敏感です。就寝1時間前になったら白色の蛍光灯を消して、50150ルクス程度のオレンジ色の暖色照明や間接照明に切り替えるようにしましょう。キャンドル型LEDライトもお勧めです。火を使わないので、お子様やペットがいるご家庭でも安心して使えます。「炎のゆらぎ」が睡眠時のリラックスタイムを演出してくれます。

就寝中は真っ暗に。

 メラトニン生成のために、睡眠中も部屋の照明や豆電球を消し、真っ暗な状態にした方がより良い睡眠がとれるようになります。真っ暗が怖くない人はぜひトライしてみてください。私も小さいころから、寝るときの真っ暗が嫌いで「何も見えなくて怖い!」と思っていました。しかし、睡眠中は真っ暗な状態がいいと聞いてからは、豆球を消すようにしています。現在では、何も見えない方が視覚的にもリラックスできています。

夜の時間の過ごし方

 食事をとると最初は食事の刺激と楽しさで交感神経が優位になります。しかし、食後は食べ物が消化され腸が動き始め副交感神経が優位になります。夕食を食べてすぐに寝てしまうと、交感神経が優位のままの状態で寝ることになるので、体がリラックスできなかったり、食べ物がうまく消化されなかったりして、栄養素が脂肪としてたまりやすくなります。このことから、食事は寝る3時間前までに済ませましょう。

 入浴は夕食後1時間以上経過してから、寝る1時間くらい前までにお風呂から上がるのが効果的です。38℃~40℃の少しぬるめの湯船にゆったりつかって副交感神経を優位にしましょう。お風呂上りは体温がすーっと下がり、寝つきがよくなります。

 不眠の原因は人それぞれです。一つのことが原因か、いくつか重なっているかもしれません。気になる人はひとつひとつ原因を探ってみてください。

 体の資本は睡眠から。特にこれからの寝苦しい季節の前に睡眠を見直してみてはどうでしょうか。

睡眠と夕食の関係

一日の生活リズムの中で夕方以降は、体が睡眠に向けて準備を始める時間です。夕食後の数時間をどう過ごすかで睡眠の質も変わってきます。ぐっすりと眠って、気持ちよく朝を迎えるためには夜の過ごし方がとても大切だといえます。

 夕食は寝る3時間前までに済ませた方がよいですが、会社員生活をしていると残業で帰宅時間が遅くなり、食事の3時間後に寝るというのは難しい時があります。私も会社員時代にはそのような生活をしていました。そのような時は、18時ころまでに脂肪になりやすいごはんやパンなどの主食を食べ、帰宅後に魚や肉・野菜などのおかずを中心とした食事をとるようにするのも効果的です。

 同じカロリーの食事をしても朝より夜の方が脂肪になりやすいのは、生活リズムを調節する遺伝子の役割によるもので、長時間の飢餓状態になる睡眠に備えて体は脂肪溜め込みモードになります。朝の排泄モード、昼の活動モードの時の食事はバランスよくしっかり食べ、夕食は控えめにすると一日の体のリズムも整えられ、よい睡眠が得られダイエットにもつながります。

 日頃の生活の中でこれを守っていくのは非常に困難なことですが、知っているか知らないかが大きな違いになります。この“気にすること”が大切なことです。

 

五感演出は究極のストレス対策!?

ストレスは、何らかの外からの攻撃に対して交感神経が過剰に反応することによって引き起こされます。その状態がひどくなると、自律神経(交感神経と副交感神経)のバランスがくずれ、うつ病などの心身症を発症してしまいます。

 交感神経が過剰に反応したときには、副交感神経を優位にさせるよう1日のリズムの中で調節してみましょう。

 1日のリズムで副交感神経が優位になるのは、夕食後~睡眠の時です。ストレスを多く感じた時は、いつもよりゆったりと睡眠の準備をしましょう。その時間を有意義に過ごすことにより、うまくストレスと付き合っていくことができるはずです。

室内の照明を落とし、ふかふかのクッションにもたれ、クラシックやジャズ・ボサノヴァを聴きながら、ラベンダーの香りのキャンドルを焚いて香りを楽しむ。。。

 いろいろ試してみて、自分だけの快適な空間を演出(五感演出)してみましょう。そう考えるだけでもストレスが吹き飛ぶかもしれません。五感演出は究極のストレス対策になり得るのです。

  副交感神経を優位にする香りは、ラベンダー、サンダルウッド、オレンジスイート、ゼラニウム、ネロリなどがあります。好き嫌いがあるので、アロマショップなどで実際に嗅いで自分の“癒しの香り“を見つけましょう。

 精油だけでなく、好きなルームフレグランス、香水、柔軟剤などの香りで癒されるのいいでしょう。あまり交感神経・副交感神経のことは考えず、くつろげる香りを使うのを優先してください。

アスリートも集中するときによく音楽を聴いています。自分の「集中」「リラックス」「リフレッシュ」できる音楽を見つけるのもいいでしょう。香りや明るさ(視覚)と合わせることで、相乗効果が生まれ、自分だけの五感演出ができます。

 夜の時間が思うように取れなければ、通勤などの電車の中で癒しの音楽を聴いたり、ハンカチにそっと好きな香りをつけておいたりするのもいいでしょう。

 会社勤め、通勤ラッシュ、子育て、人間関係、SNS・・・ストレスは現代社会において避けて通れないもの。うまく香りもつかって、ストレスと向き合っていきましょう。

不安の解消=目の前のことに集中してみましょう。

 冬から春への季節の変わり目の時期では、段々と暖かくなってきて、ぼーっとしてあれこれ考えることも増えてきます。日照時間も長くなることから体のリズムも狂いやすくなる季節です。

 季節の変わり目で生活環境が変わると、「ああなったらどうしよう、こうなったらどうしよう」と仕事やプライベートのことで不安が大きくなってきます。

 そんなときは、目の前の事、いま起こっていることだけに集中してみてください。

 

 例えば、左右どちらかの手のひらを目の前に持ってきてください。それから、息を大きく吸って口をすぼめ、長く、均等に息が当たるように、手のひらに吹き続けてください。できるだけ長く、均等にです。

 さて、息を吹き続けている間、どんなことを考えていましたか?

 「長く、均等に吹くこと」にひたすら集中していたのではないでしょうか。あるいは、「手のひらに息が当たっている感覚」を、意識し続けていたのではないでしょうか。それ以外のこと、たとえば昨日の夕食や明日の仕事のことには意識が向かなかったはずです。さらに、「息を吐くことはいいことだ・悪いことだ」などといった評価や判断もしていなかったのではないでしょうか。

 今、この瞬間に知覚しているもの、湧いてくる感情、渦巻いている思考に意図的に意識を向け、それに対し、よい・悪い、好き・嫌いなどの価値判断をしない。ただ認識し、観察し続ける。

 あれこれ考えず、ただ目の前のことだけに集中してみると、その不安も軽減されます。軽減されるだけで、滞っていたことがすっきりしてきます。周りも見えてきます。客観的な判断ができるようになってきます。

 その瞬間、瞬間で、目の前のことに集中できてくると、おのずと道は開けてくるでしょう。

気づきこそすべて

 あらゆる情報が簡単に手に入り、物事が透明化され、グレーであることを嫌い、白黒をはっきりさせないと気がすまない社会。その中で過去・現在の情報はわかれども、未来・将来のことはわからないという漠然とした不安。そのような社会で、人々の心はさらに荒んでいく。ストレス過多社会。人々の生活は更にどのように変化していくのでしょうか。

 道元禅師の言葉に次のものがあります。

「念起らばすなわち覚せよ。覚すればこれ即失するなり」(座禅の最中に雑念が起きた際に、それに気づけば雑念は消えていく)

 ひとつの物事に集中していても、必ず雑念が起きます。大切なのはそれ気づくことなのです。

 先行きを不安がるのではなく、目の前のことに集中していくこと、気づくことが大切です。足元が見えなければ周りも見えません。

 何をするにも、その気づきがなければ始まらないのです。気づきこそすべてです。こういった社会状況であるからこそ、目の前のことをコツコツと一つずつやっていくことが大切ではないでしょうか。