ブランディングとは、商品やサービスを差別化し、ユーザーからの共感を得て信頼関係を築いていくマーケティング戦略の1つです。ブランドの要素の1つとして香りを加えるのが、いわゆる「香りによるブランディング」や「香りマーケティング」と言われています。
特にアパレル業界では、この手法が多く用いられ、いくつものブランドでブランドセント(Brand Scent)として、香りで店舗演出をしています。
ブランドを構成する要素には、「ネーミング」「色」、「音・音楽」、「キャッチコピー」などがあります。そこに、「におい・香り」も加えられるわけです。
すなわち、「香りブランディング」を行うには、マーケティング・ブランディングに深い知識が必要です。そこまでの知識がない場合は、ブランドコンセプトをしっかり把握し、担当者とじっくり「香りブランディング」を作り上げていくことが大切です。
ブランドの構成要素は、五感の観点からは主に「視覚」「聴覚」によるものですが、そこに「嗅覚」も加わることで、「五感マーケティング」と呼ばれるようになっています。
「ブランドセント」をつくる際には、「商品ラインナップ」、「業界・会社のイメージ」、「顧客層(性別・年齢・収入など)」なども参考にする場合があります。
【主な業界】アパレル、アクセサリー、高級ホテル、フィットネスジム、カーディーラーな
店内に不快な臭いがあると、店舗イメージまで悪くなってしまいます。空気清浄機は消臭効果もありますが、店舗など広い空間や人の往来が激しい所では、その効果は低くなってしまいます。
また、嫌なにおいにより従業員のモチベーションも下がる場合があります。
調理臭などは、飲食の場では嫌なにおいではありませんが、アパレル・ジュエリーなどのお店で近隣の飲食店の調理臭が強くにおってしまうとお店の雰囲気を邪魔してしまうケースもあります。
【主な業界】
・たばこ臭対策・・・アミューズメント、喫煙所、バーなど
・糞尿臭・・・店内トイレ、病院、介護施設、ペットなど
・調理臭・・・モール内などの店舗など
・施術臭・・・美容院、バーバー、エステなど
実際の導入の際は、どれか1つの目的だけでなく、場所により店舗により2つないし3つの目的が混在することがあります。お客様の動向や季節、差別化、嗜好性、、、うまく活用して販促に役立てていただくようお願いいたします。
アロマテラピーブーム、ダウニーブーム、香りによる空間演出などにより、香りを訴求した商品・サービスを多く見かけるようになってきました。一方で、香害やスメルハラスメントという言葉が出てくるように、それを好ましくないと思っている人の声も大きくなってきています。 こういう背景からも、「万人受けする香りはないですか?」と、聞かれることが多くあります。
万人受けする香りというのを考えてみるのに、赤ちゃんが好きな食べ物がヒントになるかもしれません。それは、小さいころは、本能的に好きなものを食べる傾向にあるからです。たとえば、りんご、いちご、バナナ、オレンジなど。一般般的に、甘いフルーツが多いです。甘いお菓子も大好きです。バニラ、チョコレート・・・。
野菜などは、あまり好きではありません。親から「体にいいから食べなさい」と言われ、無理やり食べるようになります。繰り返し食べいていくうちに、体にいいからおいしい、と思うようになり、段々と好きになっていきます。
男女の香りの嗜好性の違いは、食べ物の好みの違いというのも要因の一つと思われます。女性は男性より、「健康や美容」に重きを置きます。なので、野菜・ハーブなど健康にいいとされる食べ物を好んで食べます。カロリーが低いものを食べるのもそうでしょう。最近はやりのスーパーフードもそうでしょう。
男性は、健康・美容よりも、エネルギー補給に重きをおき、食事の量やカロリーが高いものを好みます。繊細な味にこだわらず、食事の時間も短く、多い量を食べます。(時代背景と共にかわってきているようですが。)
余談ですが、子供がコーヒーを飲むようになるのは、「コーヒー=大人の飲み物」というイメージなので、一種の憧れのようなものがきっかけになっています。たばこもその一種でしょう。繰り返し飲んでいるうちに、味に慣れ好きになっていきます。
以上のことより、“万人受けする香り”=フルーツ・シトラスの香りとなります。フルーツはあまり天然香料にないので、“万人受けする香り=シトラス”といった方が一般的かもしれません。もちろん、対象の人の人生背景や、商品・サービスの香りの強さ・質にもよってもかわりますので、ご注意ください。