マインドフルネス

世界の一流企業も取り組むマインドフルネス

 マインドフルネスという言葉を聞いたことはありますか?

 働き方改革や、超ストレス社会という背景もあり、ビジネス本コーナーに、「マインドフルネス」というタイトルがついた本が多く並ぶようになりました。

 マインドフルネスが広まるきっかけとなったのが、マサチューセッツ大学医学大学院教授のジョン・カバット・ジン博士(当時)が「マインドフルネス・ストレス軽減法(MBSR)」という心理療法を開発し、マインドフルネスがストレス軽減・脳機能アップなどの様々な効果があることを科学的に証明したことです。

 その後、Googleの元エンジニア、チャディー・メン・タン氏が「Search Inside Yourself(SIY)」という研修プログラムを開発したり、Apple, Facebook, Intel, IBM, マッキンゼーといった欧米一流企業が次々にこのメソッドを取り入れたことで、世界中に浸透し、日本にも伝わってきました。

脳をクリアにするマインドフルネス

 では、なぜ世界の一流企業がマインドフルネスを取り組んでいるのでしょうか?

 いかに優秀な人であっても、ストレスや精神的・肉体的な疲労からは逃れられません。日々の仕事の中で、自分では気づかぬうちに蓄積されていく多大な負荷が、集中力や判断力を鈍らせ、円滑なコミュニケーションを低下させてしまいます。

 マインドフルネスは、集中力や判断力の強化・クリエイティビティの増大・共感性の向上・対人関係の改善など、多岐にわたる効果があることが科学的に証明されています。証明されているからこそ、世界の一流企業がマインドフルネスを社員研修に取り入れているのです。

起源は禅

 では、マインドフルネスとは何のことでしょうか?

 日本マインドフルネス学会(2013年設立)ではその定義を、「今、この瞬間の体験に意図的に意識を向け、 評価をせずに、とらわれのない状態で、ただ観ること」としています。かみ砕いて言うと、「あれこれ考えず、ただ目の前のことに集中する姿勢」と言えます。

 欧米を中心に注目を浴びている心理療法の一つであるマインドフルネスですが、実は、マインドフルネスの起源は“仏教”にあります。

 仏教の開祖であるブッダが悟りを得たとき、人が正しい生き方を実践するための八つの事項として「八支正道」という教えを説きました。その七番目に登場する「正念」=「善悪や好き嫌いなどの価値判断を介さない、客観的で正しい心のありようで、物事を見つめること」を英訳したものがマインドフルネスなのです。

 仏教の中でも「禅宗」は、坐禅修行をはじめ、掃除・食事・草むしりなど、あらゆることに集中して取り組み、「今、この瞬間」を感じることがそのまま修行になっています。

 マインドフルネスを欧米に広めたジョン・カバット・ジン博士は、若いころから禅宗の指導者に師事して禅を学び、その修行法を西洋科学と融合させて「マインドフルネス・ストレス軽減法」を開発したそうです。

 禅の中から宗教的な要素を外すことで、仏教への親しみの薄い欧米の人々にも、マインドフルネスが広く受け入れられるようになりました。近年、欧米各国からマインドフルネスに影響を受けた多くの外国人が「禅の本拠地」とも言える鎌倉や京都を訪れています。

瞑想

 マインドフルネスに至るための方法として「瞑想」があります。

 瞑想とは、“今、この瞬間”にのみ意識を集中させることによって、あれこれ思い悩む心と脳を休める行為です。心身が整う、集中力や決断力が上がるなど、さまざまな効果があります。

 何か一つのことに注意や集中を向けることで気分転換にも役立ちます。難しそうに感じるかもしれませんが、日常生活の中で気軽にできるものもあります。

 スティーブ・ジョブス、ビル・ゲイツ、松下幸之助、稲盛和夫といった一流の経営者たち、マイケル・ジョーダンやイチローといった一流のスポーツ選手は、みな瞑想の習慣を持っています。マインドフルネスは、世界中のハイパフォーマーたちが実践している究極の「仕事術」ともいえるのです。

 

★アップル創業者 スティーブ・ジョブズ

 「じっと座って観察すると、自分の心に落ち着きがないことがよくわかる。静めようとするともっと落ちつかなくなるんだけど、じっくりと時間をかければ落ちつかせ、とらえにくいものの声が聞けるようになる。このとき直感が花ひらく。物事がクリアに見え、現状が把握できるんだ。」(『スティーブ・ジョブズ』ウォルター・アイザックソン著、井口耕二訳、講談社)

 

★京セラ創業者 稲盛和夫

「多忙な中にあっても、いっときの時間を見つけて、心を静めることが大切です」(『生き方―――人間として一番大切なこと』サンマーク出版)

瞑想が心身の不調を改善する

 自分の体の感覚に注意を向け、観察する瞑想では、触覚や嗅覚などに意識を集中させることで、猫や犬をなでたときの気持ちよさや、コーヒーの香りをより楽しむことができます。体の感覚を取り戻すと、ありのままの自分自身が見え、受け入れることが出きます。それにより、心理的な不安や緊張が原因の頭痛・肩こりなどが改善されていきます。

 つまり、瞑想で自分の不調に気づき、改善することができるのです。自分の心身が整うと他者に対しても広い心で接することができ、人間関係がよくなっていくことが期待できます。このように、幸福感の高い人生を送ることにもつながっていきます。

 日常の中でもできる瞑想(すき間瞑想)をいくつか紹介します。まずは、気軽に実践してみてください。

 

呼吸瞑想

1.両足を少し開き、椅子に座る。頭が一本の糸で吊られているようなイメージで軽く背筋を伸ばす。

2.3回ほど大きく深呼吸する。空気を胸いっぱいに吸い込み、自然に吐き出す。

3.鼻を出たり入ったりする空気の流れを鼻先のあたりで感じる。

深呼吸のあとは、ありのままの呼吸を感じるようにします。呼吸をただ観察・眺める感覚がコツです。

 

歩く瞑想

1.普段通りのスピードで歩く。

2.右、左、右、左と足裏の感覚に注意を向ける。

*歩く瞑想は周囲の安全が十分に確保された場所で行ってください。

  歩いている足の感覚を後から追いかけるイメージでおこなうのがコツです。歩く瞑想は、うつの低減やメタボリック症候群に対する効果も認められています。

 

食べる瞑想

1.レーズンをつまみ、色、形、つや、しわなどをよく観察し、食べたらどんな味がするかイメージする。

2.目を閉じてレーズンの香りを嗅ぐ。

3.レーズンを口に入れ、噛まずに舌の上で転がして味や形を感じる。

4.ゆっくりと噛んで、味や香りを十分に感じてから、飲み込む。レーズンが喉を通り胃に落ちていく様子も感じる。

  食べる瞑想には、少ない量でもおなかがいっぱいになるという利点があり、ダイエットにも最適です。また、糖尿病が改善され、血糖コントロールがよくなったという報告もあります。

 

香りの瞑想(香りのマインドフルネス)

1.一度大きく深呼吸

その場で軽く背すじを伸ばして、一度大きく深呼吸をしてみましょう。吸う息とともに新鮮な空気が体いっぱいに取り込まれ、吐く息とともに全身の疲れや緊張を手放すイメージです。

2.  「禅心香・柚子のミスト」を嗅ぐ

ハンカチやティッシュに吹き付けた柚子の香りを嗅ぐ。

「禅心香・柚子ミスト」は日本古来から親しまれてきた柚子の爽やかな香りを安全に楽しめるので、マインドフルネスに最適です。

3. 頭に浮かんだイメージや身体の感覚をあるがままに観察

香りとともに心に浮かんできてたイメージや、景色、体の感覚があれば、それをあるがままに観察して楽しんでみましょう。

4. もう一度深呼吸

もう一度深呼吸をしたら、ゆっくりと目を開けて下さい。

数分間のリフレッシュ習慣で、心に少しだけ、ゆとりを持ってみてはいかがでしょうか。

 

 

 瞑想中にいろいろな考えが浮かんできても、無理に消す必要はありません。「雑念が浮かんでいるな」と、ゆったりした気持ちで“ありのまま”を感じてください。

 

随時更新中。(最終更新日:2019年7月1日)

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